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kashanカシャーン産

カシャーン
カシャーン(Kashan)は、イラン中部のオアシス都市であり、ペルシャ絨毯の世界において長い歴史と深い文化を持つ産地の一つです。
この地で生まれる絨毯は、芸術品とも称されるほどの美しさと品質を誇り、世界中のコレクターや愛好家から高く評価されています。
本コラムでは、カシャーン絨毯の歴史、デザイン、素材、そしてその独自性について詳しく掘り下げます。



カシャーンの歴史
カシャーンの絨毯作りの歴史は、サファヴィー朝(16~17世紀)に遡ります。
この時代、カシャーンはイランでも重要な絹の生産地の一つであり、宮廷向けの高級絨毯が多く織られました。
特に、サファヴィー朝の王室がカシャーンに製作を依頼した絨毯は、「アーダムのカシャーン」として知られ、現在も博物館で展示されています。
これらの絨毯は、絵画のような美しいデザインと精巧な織りで、ペルシャ絨毯の最高峰とされています。
18世紀以降、絨毯生産は一時的に衰退しましたが、19世紀末に復興し、現在では再びその高い品質で知られています。



デザインの特徴
カシャーン絨毯のデザインは、伝統を重んじながらも繊細さと洗練が際立っています。

メダリオンモチーフ
絨毯の中央に配置される「メダリオン」がカシャーンデザインの象徴です。
円形や八角形のメダリオンが多く、周囲を囲む植物模様が全体のバランスを引き立てます。

自然をテーマにした文様
花瓶に活けられた花々、花畑、生命の木、アラベスク模様など、自然を感じさせるデザインが中心です。
これらは、生命の調和や豊かさを象徴しています。

色彩のバランス
カシャーン絨毯は、ベージュやクリーム色の柔らかいベースに、濃紺や赤などの目立つ色を随所にを加えると、
美しい色のコントラストで、絨毯により一層洗練された印象を与えます。
濃い色味も使用することでクリームなど優しすぎる印象からキリッとした表情に一変します。



最後に
カシャーン産のペルシャ絨毯は、その歴史と伝統、そして職人の技術が融合した究極の一品です。
クラシックでありながらも普遍的な美しさを持ち、どんな空間にも上品さを加えます。
一生ものとして、また後世に受け継ぐ価値ある宝物として、カシャーン絨毯は間違いなくその価値を感じさせることでしょう。

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